食品の衛生管理現場で導入されている「HACCP（ハサップ）」は、国連食糧農業機関と世界保健機関が作る食品企画委員会が提唱した衛生管理法です。HACCPを取り入れることで、食品管理現場にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

HACCPは、科学的な根拠のあるデータを基に行う衛生管理方法です。危害分析・重要管理点監視方式であり、主に食品衛生管理の現場に用いられます。例えば、HACCPを導入した給食センターや飲食店では食中毒防止のため、主にオゾンやオゾン水を用いた対応が取られています。

人の出入りがない夜間に室内をオゾンで満たすことで、除菌・殺菌効果が得られます。また、日中は作業者の手や調理器具、床、食材にいたるまでをオゾン水で洗浄し、除菌・殺菌を行います。

これまで食品の衛生管理で用いられてきた抜き取り検査では、危害要因が混入した製品がすり抜けてしまう可能性がありました。しかし、HACCPは危害要因の混入を未然に防ぐことが出来るため、抜き取り検査よりも質の高い衛生管理が可能です。

HACCPの場合、材料が製品になるまでの全行程が管理対象であり、店舗や施設の従業員すべてに徹底されます。それにより、万が一トラブルが発生した際にも原因追求の選択肢が少なく、原因を特定しやすくなります。

また、HACCPが導入されていることが安全性の指標となり、競合他社との差別化、競争力の強化につながります。さらに難しい手順を一切踏まず、誰でも簡単に継続出来るようにマニュアルが作成されており、教育も容易です。安全の継続により、信用も強化されます。

HACCPの選択肢には紫外線とオゾンがあります。その中でもより安全性が高く、残存しにくいとしてオゾンの需要が高まっています。しかし、いくら除菌・殺菌効果が期待出来るとはいえ、適正濃度を超えると人体に悪影響を及ぼしかねません。利用価値のあるオゾンだからこそ、適切に濃度を管理することが大切です。精度の高いオゾン濃度計などを用いながら濃度管理をしっかりと行い、HACCP対応に役立てましょう。